#18 今も役に立っているスキル/精神疾患について

大変だった生産管理であったが、この業務をすることで今後の人生のプラスになったことがいくつかある。

 

一つ目は仕事効率を上げるために、パソコンのあらゆるショートカットキーを覚えたことにより、作業時間の短縮が可能になったこと。

 

二つ目はエクセル関連書籍を購入し、実務の中で関数の使い方を覚えたことだ。

そのおかげで今はよく使う関数ならそらで手打ちすることができるまでになった。

 

上記の二つは会社員であれば資料作成等で誰にでも求められるスキルであるため、下手な自己啓発本なんかよりよほど役に立った。

 

また、副産物的ではあるが、生産会議の司会進行も任されていたため、僕が主導の元、全国の営業員と折衝を重ねながら生産スケジュールの微修正を行っていたため、様々なタイプの人間と難しい交渉ができる能力と、司会進行する胆力も身についたと思っている。

 

あと、これは僕からのアドバイスとして心の隅にでも留めておいてほしいことがある。僕は自分一人の窮地に立たされたとき、最大で月に70時間の残業をしたことがある。

 

残業70時間なんて大したことないと思う人がいると思う。だけどその発想は今すぐ見直したほうが良い。僕の経験上、人間は月に30時間を超えるくらいが限界だと個人的に思っており、70時間にもなると感情の起伏の低下やまともな思考力の欠如など、体に悪影響を与える。

 

もし今それくらいの残業をしており、似たような症状の人がいるならば、今すぐに周りに相談すること。もっとひどいときは専門相談員のカウンセリング、心療内科受診、離職を真剣に考えるべきだと思っている。

 

パワハラや過剰労働による精神疾患は一度患うと元気だった頃に戻るのが日を追うごとにどんどん難しくなっていく。早期の心のケアが大事だと心得てほしい。

かくいう僕もこの後更に追い詰められ、いよいよ精神的におかしくなりそうなときに、なんとか次の職場を決めることができたのだが、それ以上続けていたら、本当に精神疾患を発病しててもおかしくはなかった。

 

閑話休題。幸いにも上司がポンコツであったため、僕を怒る人はいなくなった。

生産管理にチェンジしたことで周りからの当たりも弱くなったように思えた。そのおかげで理不尽な怒られからくるストレスは大幅に減り、なんとか体調を維持することができたのだ。

さて、代官山課長のその後であるが、このブラック企業が見逃すわけもなく、連日ケチョンケチョンに怒られ、数ヶ月で会社を辞めることになった。前の部署では臭いものにフタをするようにとどめ置かれていたようだが、鉄スクラップ部の上層部は日々圧力をかけ続け、あっという間に退職が決まった。