#26 転職エージェントについて

転職を決意してからというものの、僕は早速転職戦略を立てることとした。戦略と言っても、今の会社から抜け出すことが最優先事項であったため、今になって考えれば転職先を吟味する時間が圧倒的に足りておらず、ずさんなものであった。

まずは転職エージェントを頼ることとした。エージェントといえばここ、と名前がすぐに出てくるくらい有名なエージェントである。
早速ネットで申し入れ、エージェントと会う約束を取り付ける。そしてすぐに約束の日が来た。

冒頭、これまでの職歴などの聞き取り調査があり、その後、志望する会社の方針を決める。僕の転職の軸は苦手な営業ではなく、曲がりなりにも自分が仕事をこなすことができた「生産管理」を主体に考えることにした。

また、これは少し予想外であったが、あなたの経歴ならコンサルになるのも一つの手だと提案されたこと。ただし、僕の中のコンサルのイメージは、個人でやることが主で、収入にムラがありそう。なんとなく胡散臭いと考えていたため、その軸は遠慮することとした。
このように、自分が考えてもいないような業界とのマッチングも考えてくれるため、一人で転職活動するよりも、思考の幅が増えるのは悪くない。

面談を終えて数日後、メールで何件かの生産管理の仕事を紹介された。通常の転職サイトでは出てこないような、比較的大手の生産管理の仕事が何件か載っていた。条件などを見て数件の企業に履歴書や職務経歴書を送り、エントリーすることになった。

しかし、結果は散々なものであった。

エージェント経由でエントリーした企業にはことごとくスルーされ、ついぞ一件も返信すらもらえなかった。可でも否でもなく、無。

企業の心ない対応に胸を痛めた。せめて不合格ですというお祈りメールでも来れば諦めがつくものの、メールが来ないので合否すら分からない。

再度エージェントに別の求人を求めたが、エージェントからの返信すら来なくなってしまった。
理由は今日までわからないのだが、エージェントからすれば僕はチャンスを一件もヒットすることのできないボンクラと捉えたのか、時間のムダと判断し、次なる人材を探すため、僕を切ったのかもしれない。

やり場の無い怒りを、無視した企業とエージェントに向けながら、もう二度とエージェントには頼るまいと方針転換を迫られることになった。
結局のところ、自分のペースで、検索条件をじっくり吟味できる転職サイトに登録することになった。