#30 転職決定

わかりました、合否については追って連絡します!
面接が終わった。終始和やかな雰囲気で終われた。先方も僕の経歴を買ってくれていたし、僕も今までの会社からするとだいぶ好印象だった。

いけるかもしれない!
相手方の表情や面接内容を考えると、落ちている要素が見当たらなかった。
そしてその予感は見事当たり、面接を終え自宅に帰り、しばらくすると電話が鳴った。

緊張で少し上ずった声で電話に出る。どうやら先程の面接官の男性であった。
「先程の面接をさせていただいた結果、ぜひうちで一緒に仕事をしてもらいたいと思います」

キタ!!!
僕はガッツポーズをした!

「それで、入社のご意向はいかがでしょうか?」

その場で即答したいと思ったが、ひとまずぐっとこらえた。少しだけお時間をいただいても良いでしょうか?先方はもちろん構いませんと言ってくれた。

彼女にも念のため確認をしておこう。
その場ですぐに彼女に電話をすると、彼女も合格に安堵して、僕の転職を応援してくれた。

今、すぐに返事をすべきか、明日、返事をすべきか?明日電話したところで合格という状況は変わらない。だが、せっかくつかんだチャンス、なにかに水を刺されてはたまらない。僕は彼女との電話を切るとすぐに返事の電話をすることにした。

これからよろしくお願いします!
先方も満足げに「こちらこそよろしくお願いします」と返してくれた。こうして無事、数ヶ月に渡る転職活動が終わった。

翌日、この件をすぐに八木沼に報告することになった。もう八木沼とは一言も喋りたくなかったが、一応上司という建前上報告せざるを得ないと判断した。

課長、少しお時間いただいてもよろしいでしょうか?
会議室に入り、少々の緊張とカラカラの喉で転職先が決まったことを伝えた。すると、僕は人生で聞いたこともないような、唖然や呆然を通り越してはらわたが煮え返るような言葉を浴びせられた。


「やっと決まったか」ニヤッ